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専門家の証明

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他方、このような交渉を経て当事者間で合意した価額が、必ずしも合意時価額となる訳ではない(次図(3)のケース)。上述した情報の格差を是正した上で、価額についての合意形成を行うことに加え、専門家の客観的な観点から株式の価額として相当である旨の証明を受けることが必要である。このため、経営承継法においては、「合意の時における価額」について、専門家が「その時における相当な価額として証明をしたものに限る」ことにより、客観的合理性を担保することとしている。したがって、固定合意によって固定することができる価額は、次図の斜線部分であり、次図(1)から(3)までの場合には、当該固定合意は、要件を欠き、違法となる。例えば、数十億円の資産を保有し、毎年数億円もの利益を計上している会社の株式の価額を社会通念上あり得ない価額(例:1株1円)で合意し、専門家が「その時における相当な価額として証明をした」場合であっても、次図(3)に該当し、違法となると考えられる。

 

3.株式評価の実施にあたっての留意事項
評価を行う専門家は、案件ごとの諸事情を考慮しながら、Ⅱ以降で解説する各種評価方式を用いて評価し証明を行うこととなる。その際、後日、非後継者から錯誤、詐欺等の違法事由や損害賠償請求を主張されないように、以下のような点に配慮しながら評価を行うことが望ましい。
① 専門家が評価を行うにあたっては、依頼者(多くの場合、後継者)にとって有利となる評価を行うことなく、客観的な立場から証明を行う。
② 専門家は、評価を行うにあたって、計算書類のほか、会社の実態を把握するために必要な資料の提供を依頼者より受ける必要がある。また、当該資料に漏れ・虚偽のない旨を書面等で確認を行う。
③ 提出を受けた資料に関しては、その内容の真実性、正確性、網羅性について、原則として、検証等を行わず、それを前提として評価を行う旨を、当事者に説明し、評価証明書(《参考1》非上場株式の評価における証明書例を参照)に添付する付属書類への記載も行う。
ただし、

・専門家の視点から明らかな誤りがある場合

・評価を行うにあたって、資産の含み損益の反映、引当金の追加計上又は経常損益と非経常損益の利益区分修正を行うことなどが、評価対象会社の実態を表すために必要と判断される場合、 においては、提出を受けた計算書類について、一定の修正を行う必要がある。
④ 今後の収支見込みなど将来の予測に基づく評価を実施する場合には、専門家として、この予測が明らかに不合理でないか否かの検討は行うべきであるが、予測の達成可能性について責任を負うことはできないため、その旨を当事者へ説明し評価証明書等への記載を行う。
⑤ 専門家は、依頼者とともに、合意をする当事者全員に対し、本ガイドラインを活用して、各種評価方式を提示し、それぞれの評価方式の特性を十分に理解させるべく説明を行うことが必要である。また、評価方式により価額に差異が生じることへの理解も得ておく必要がある。そして、その上でなされた当事者全員の合意内容を踏まえ、実際の評価証明書等において用いた評価方式の採用根拠等の説明が必要である。
また、評価を行うにあたって使用した会社の情報や計算書類等(上記③に記載したような実態を踏まえ修正を行った書類も含む。)を当事者に対して開示する。 なお、当事者間において情報の格差が生じることがないよう、同一の場所に当事者を集めるなどの対応をとることも考えられる。

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2012年8月16日 | コメントは受け付けていません。 |

カテゴリー:「超」改正税法

中小企業庁のガイドライン

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正式名は 経営承継法における非上場株式等評価ガイドライン

といいます。

株式の時価の概念

1 会社法の時価

2 税務上の時価

3 次ぎに 平成20年5月には 中小企業庁の「時価ガイドライン」が成立しました。

 

この 時価ガイドラインは、会社法上の時価でさらに税理士等の専門家の証明したものという

円滑化法上の時価となっております。

 

1 会社法上の時価は 裁判所で決められた時価

2 税務上の時価は お上が税金を算出するための時価

3 当事者同士が同意した専門家が証明した時価

となります。 税務上の時価も 相続財産評価通達により計算された時価 相続税を取るための時価と

法人税法上の時価=所得税法上の時価 は 異なりますし、税務上の時価は 原則と特例が認められるので

相違があります。

 

円滑化上の時価は、

Ⅰ 本ガイドラインの趣旨及び目的
本ガイドラインは、中小企業庁長官の私的研究会である「非上場株式の評価の在り方に関する委員会」(委員長:岡村正日本商工会議所会頭)及び同委員会の下に設置された「非上場株式の評価の在り方に関する委員会専門委員会」(委員長:品川芳宣早稲田大学大学院会計研究科教授)での検討結果を踏まえ、中小企業庁が策定したものである。本ガイドラインには、法的な拘束力はないが、中小企業における経営の承継の円滑化に関する法律における固定合意を利用される際の非上場株式の評価方法のメルクマールとなることを期待している。

とあります。

 

遺留分の価額と精算課税制度の贈与時の時価

 

1.経営承継法1における固定合意
所有と経営が一致している同族会社が大半を占める中小企業の事業承継において、後継者が安定的に経営を継続していくためには、自社株式を後継者に集中的に承継することが重要である。しかし、先代経営者に後継者以外の相続人(以下「非後継者」という。)がいる場合には、非後継者が有する「遺留分」が自社株式の集中の障害となる可能性がある。 「遺留分」とは、配偶者や子などに民法上保障される最低限の資産承継の権利である。後継者への生前贈与や遺贈などにより、非後継者の遺留分が侵害された(実際に得られた相続財産が遺留分に満たない。)場合に、当該非後継者が遺留分減殺請求(侵害された自分の遺留分を取り戻すための請求)を行うと、当該請求を受けた後継者は財産の返還又は金銭による価額弁償を行わなければならない。 また、遺留分を算定する際の財産の価額は、生前贈与された財産を含めて、すべて相続開始時を基準として評価され、後継者の貢献により上昇した場合であっても、その貢献は考慮されず、単純に上昇後の価額で計算されてしまう。このため、企業価値を上昇させればさせるほど、非後継者の遺留分の額を増加させることになり、このことが、企業価値を向上させようとする後継者の意欲を阻害するおそれがある。
そこで、経営承継法は、後継者が贈与により取得した自社株式2について、「遺留分を算定する際の価額を合意の時における価額に固定する」ことを内容とする合意(以下「固定合意」という。経営承継法第4条第1項第2号)を行うことができ、経済産業大臣の確認と家庭裁判所の許可といった諸手続を経ることで当該合意の効果が生じることとした(同法第7条から第9条。次図参照)。この「固定合意」を活用することで、後継者は、将来の企業価値の上昇に伴う遺留分額の増大を心配することな経営に専念することが可能となる。

 

なお、先代経営者から推定相続人たる後継者が自社株式の贈与を受ける場合、一旦、贈与税を納付し、相続時に相続税で精算を行う相続時精算課税制度を選択できる。この制度においては、相続税の計算を行うにあたり、贈与財産の課税価格は贈与時の時価とされている。また、平成21年度税制改正により創設される「非上場株式等に係る贈与税の納税猶予制度」においては、贈与時には贈与税の納税を猶予し、贈与者の死亡の際に当該贈与税を免除した上で、対象株式を相続により取得したものとみなして相続税の計算を行うが、その際の課税価格は、相続時の時価ではなく、贈与時の時価とされている。

 

 

しかし、相続時精算課税制度や贈与税の納税猶予制度は、あくまで相続税の計算上、評価時点を贈与時に固定するものであって、先代経営者の相続人間の権利関係を規律する遺留分制度の特例である固定合意とは、趣旨・目的が異なる制度である。 したがって、生前贈与を受けた株式に係る贈与税の申告時に相続時精算課税制度や贈与税の納税猶予制度の適用を選択したとしても、遺留分の算定に係る当該株式の価額を固定するためには、別途、先代経営者の推定相続人間において、固定合意を行わなければならない。その際、この場合の「価額」は、贈与税の「時価」とは異なるものであることに留意する必要があるが、合理的に算定された「価額」は、「時価」の一つであるとも言える。

 

 

2.合意の意義と「相当な価額」の証明
固定合意における価額は、「合意の時における価額(弁護士、弁護士法人、公認会計士(公認会計士法第16条の2第5項に規定する外国公認会計士を含む。)、監査法人、税理士又は税理士法人がその時における相当な価額として証明したものに限る。)」(以下「合意時価額」という。)であることが必要である。
しかし、後述するとおり、非上場株式の価額の評価方式には様々なものがあることからも明らかなように、唯一絶対の価額があるわけではない。これは、非上場株式に限ったことではない。例えば、同じ場所にあり、同じ面積の土地であっても、買主が隣地所有者である場合と、そうでない場合とでは、売買価格に差が出ることが考えられる。このように、各財産の価額は、当該財産を取り巻く様々な事情を勘案して決定されることから、事案ごとに評価の観点や方式が異なり、価額にはある程度の幅が生じ得ると考えられる。

 

実際に固定合意を行うに当たっては、対象株式の発行会社の業種、規模、資産、収益状況や株主構成等を勘案して価額を算定することになる。実際には、上記のように価額にはある程度幅が生じ得ることを前提として、当事者間で種々の交渉を経て合意時価額が決定されると考えられ、一般的には、合理的意思を有する独立した当事者間において合意した価額であれば、「相当な」価額と言うことができる。

 

しかしながら、自社株式の合意時価額の算定にあたり、合意の当事者である後継者と非後継者との間で利害が対立する場合があり、その際、主に以下の2つの情報に係る格差の問題があるため、合意の前提として、利害の調整を図りつつ、情報の格差を是正する必要があると考えられる

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2012年8月16日 | コメントは受け付けていません。 |

カテゴリー:「超」改正税法

還付期間5年に延長

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今まで国税通則法では還付期間は5年でしたが 所得税や法人税は1年間で規定がずれておりました。
実務では嘆願書書けば 5年前でも更正の請求ができたんですが
ここで 税法上 明文化されただけのことです。

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2012年7月25日 | コメントは受け付けていません。 |

カテゴリー:「超」改正税法

課税事業者の見直し

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平成23年9月税務署パンフレット
消費税改正のお知らせ
上のパンフレットに書かれている通り、平成24年1月から始まる事業年度 
(個人の場合は単純に平成24年)の特定期間の課税売上高が1千万円を超えると
翌事業年度(個人の場合は翌年)から課税事業者になります。
①特定期間とは当課税期間の前年1月1日(法人の場合は前事業年度)開始から
6ヶ月の期間をいいます。

免税事業者

①基準期間の課税売上高が1千万円を超える場合・・・課税事業者になります。
1千万円以下の場合は免税です。今回の改正で

たとえ①で免税事業者と判定されても特定期間の課税売上高が1千万円超えると課税事業者

になりますが、
しかし (ポイント)
特定期間の課税売上高が1千万円を超えていても、

給与支払額が1千万円を超えていなければ免税事業者になります。

特定期間の1千万円の判定は 課税売上高又は給料支払額のいずれかで判定を行うことが、
実務におけるポイントとなります。

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2012年7月18日 | コメントは受け付けていません。 |

カテゴリー:「超」改正税法

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